第5話では「課題の抽出方法」について整理しました。
今回はその続きとして、課題に対してどんな解決策を選ぶべきか、そしてどう書けば伝わるのかを、私自身の体験を交えてまとめます。
技術士論文では、課題の抽出と同じくらい 解決策の質 が重要です。
「なぜこの解決策なのか」を採点者に納得してもらう必要があります。
大前提:その解決策は本当に課題を解消できるのか?
私が最初に論文を書いたとき、思いついた対策を並べてしまい、あとから読み返して
「これ、課題に対する解決になっていないな…」
と反省した経験があります。
採点者が見るのは、とてもシンプルです。
課題に対して、確実に効果がある根拠を示せているか。
私は論文を書く際、常に自問していました。
「この対策で、課題は本当に解消されるのか?」
この視点を持つだけで、論文が題意からブレにくくなります。
解決策の選び方(私が実践した3ステップ)
解決策は“思いつき”ではなく、信頼できる情報源から選ぶと安定します。
私が実際に使っていたのは、次の3つです。
1. 国土交通白書で大きな方向性をつかむ
白書は、国がどこへ向かっているかを整理した資料です。
河川分野であれば、
- 流域治水
- DXの活用
など、論文の軸にしやすい施策が掲載されています。
まず白書で国の基本線を押さえることで、
「国の考え方を踏まえた」解決策が書けます。
2. 国交省HPのトピックスで“今動いている施策”を把握する
白書で方向性をつかんだ後は、国交省HPでリアルタイムの施策を確認します。
特に河川分野では以下がよく参考になりました。
- 水管理・国土保全局DX
- 流域治水関連法に基づく流域治水の本格的実践
- ハイブリッドダム
- 流域治水プロジェクト
- ワンコイン浸水センサ実証実験
- 水害リスクコミュニケーションポータルサイト
これらは“今まさに動いている”施策なので、トレンドを押さえた論文が書けます。
3. 月刊誌で現場の課題・事例を取り込む
私は以下の専門誌をよく参考にしていました。
- 月刊河川
- 月刊建設
- 日経コンストラクション
発注者・研究者・現場技術者の視点で書かれた事例が豊富で、
現場のリアルな課題や最新技術をつかむのに最適です。
論文に“具体的なイメージ”が生まれ、説得力がぐっと上がります。
私が意識していた“差別化”
加点対象になるかは不明ですが、私は解決策を選ぶときに、
- 白書の基本線
- 最新の施策
- 現場の具体事例
この3つを組み合わせることで、他の受験者と同じ内容にならないよう工夫していました。
新しい施策を意識的にチェックすることで、文章に深みも生まれ、
採点者にも「最新の動向を理解している」と伝わると考えていました。
まとめ
私の体験から、技術士論文で評価される解決策は次の3点を満たすことだと思っています。
- 課題を確実に解消できる対策であること
- 国の考え方(白書)を踏まえていること
- トレンドや最新施策を押さえ、論理が破綻していないこと
この3つを意識するだけで、解決策の質は大きく安定します。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
